矯正治療中のお口の中は、矯正装置が装着されるために食物が停滞しやすく、歯磨きもしづらくなります。そのため、歯の汚れ(プラーク)が残存しやすく、虫歯や歯肉炎を引き起こしやすいです。それらを予防するためにはやはりブラッシングということになります。矯正専用の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って、ていねいに歯磨きをする必要があります。
矯正コラム
矯正治療できれいな歯並び
虫歯予防、歯周病予防、健康増進のために、ということはいうまでもありません。
さらに、美しさ、さわやかさを手に入れましょう。
歯並びがよくないために、人前で話をしたり、笑ったりするのが、ちょっと恥ずかしいという気持ちを持っている方がおられると思います。
人と会話をするとき、口元、歯は必ず見られるところで、相手は無意識のうちにそこからあなたに対する印象を感じ取っています。歯並び、口元の美しい人は笑顔も素敵で、周りの人にさわやかさ、内面的な美しさを感じさせます。そして、歯は宝石のような役割を演じており、健康できれいな歯そして歯並びは全体的な印象の中に本物の美しさをそえます。
矯正治療をして歯並びをきれいにすると、人前で話をしたり、笑ったりするのが、楽しくなります。
矯正で歯が移動するわけ
歯とあごの骨がもっている生命体本来の性質を利用して歯を動かします。
骨の生命現象として毎日少しづつ新しい骨と入れ替わっています。そして、歯に力が作用するとその作用方向に応じて骨が作られたり、逆に排除されたりしながら歯は移動していきます。硬い骨の中の出来事ですから短期間に成し遂げることはむずかしく、長い時間をかけて徐々に動かしていきます。
矯正治療と永久歯の抜歯
あごの大きさと生えてくる歯の大きさの調和が問題となります。
あごの大きさが充分で歯が生えそろう空間が足りている場合には永久歯を抜く必要はありません。そのような場合は、すべての歯をあごの骨の適切な位置にきれいに並べて、歯並び・かみ合わせを改善します。
しかし、あごの大きさが充分ではなく歯を配列する空間が不足する場合(通常、そのような場合は乱杭歯や出っ歯の状態を認めます)は、無理に歯を並べるとかえって前歯の前突 ( 出っ歯 ) がひどくなったり、治療後の歯並びの安定に影響します。したがって、歯を並べる空間が不足している場合には、歯並び・かみ合わせのより良い機能、審美、安定を得るために永久歯を抜歯しての治療が必要となります。実際に、抜く歯とその本数、抜歯時期は不正咬合の状態、治療方法によっても違ってきます。
治療中の痛みについて
歯に感じる痛みについて
矯正装置で歯を動かし始めますと、装置装着後まもなく歯が浮いたような感覚を自覚し、その後歯に痛みを感じるようになります。しかし、この痛みは、上下の歯をかみあわせる(接触すると)と痛いというような痛みで自発痛ではありません。ですから歯をかみあわせなければ痛くありません。この痛みのピークは装置装着の次の日で、食事は、かまずに食べられるもの(シチュー、スープ、アイスクリーム、ヨーグルト、etc )で過ごすことになります。そして、数日~1週間ほどで和らいでゆき、食事もやわらかめのものから普通の食事へと徐々に食べられるようになります。
装置装着に伴う違和感について
矯正装置が装着されますと、装置に対する違和感を感じ、それらが口唇、頬の粘膜、舌などにすれる痛みに変わることがあります。しかし、時間がたつとともに装着された装置に慣れてゆきます。このような違和感・痛みは1,2週間程度でおさまります。
矯正治療と虫歯予防
食べたら磨くという歯ブラシ習慣を実行することはなかなかむずかしいです。特に、日中は学校や職場ということが多いですので。 しかし、できるだけその基本を忘れずに生活するように心がけましょう。また、少なくとも朝と夜は時間を作って、ていねいに磨くことが大切です。
一般的に歯と歯の間、歯と歯肉の間、奥歯の歯の溝の部分です。それらに加えて歯と矯正装置の境界部です。
歯ブラシの毛先が曲がって、毛先が磨きたい部分にうまく当たらないような歯ブラシはもう寿命です。
新しい歯ブラシに変えましょう。
装置が装着されますと普通の歯ブラシではうまく磨けないところが出てきます。
そのような場合には歯間ブラシやワンタフトブラシ(毛束がひとつになっている歯ブラシです)を使用するのも効果的です。
さらに効果的なブラッシングをするために
定期的に歯垢染色液を使用して歯磨きのチェックを行うことも良いです。歯垢染色液は市販されていますし、歯医者さんにも置いています。使い方は簡単で歯ブラシした後に歯垢染色液を少量お口に含んですすぎます。赤く染まっている部分が歯垢なのでどの部分にどのくらい磨き残しがあるかが確認できます。
虫歯予防効果のあるフッ素入りの歯磨き剤や電動歯ブラシも使い方によっては非常に良い効果が得られます。